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Vivatechnology2021 - SINEORA Live

フランスのオープンイノベーションの祭典、VIVATECHが全て終了しました。


今年は例年に比べ、規模は小さかったものの、マクロン 大統領が来場するなど、久しぶりのリアル会場は賑わいを見せていました。


さて、シンノラでは、VIVATECH開催中、日本の皆様に会場のライブ感をお届けしたく、6月17日と18日の二日間に渡り3つのテーマに分けてウェビナーを開催しました。第一弾のヘルスケア編では、TripleW CEOの中西敦士氏、第二弾のスマートシティ&スマートインダストリー 編では三井不動産(株)新規事業担当の光村圭一郎氏、そして第三弾のゼロエミッション&サステナビリティ編ではValue Frontier(株)代表取締の梅原由美子氏をゲストスピーカーにお招きして各テーマを掘り下げました。


そして6月25日には今年のVIVATECHに関する振り返りウェビナーを開催。テクノロジージャーナリストの林信行氏と、日本経済新聞社編集総合解説センター担当部長の上田敬氏をお迎えし、前回(2019年)までの開催と比較して何が違ったのか、その理由はなにか、VIVATECHの意義とは、など非常に内容の濃いディスカッションが行われました。


SINEORA代表の今井からは現地で実際に展示会場を訪れてみて気が付いた点や今年のトレンドについて報告をしました。今年はこれまで以上に「サステナビリティ」を会場全体が意識しているということを強く感じました。LVMHのような大企業グループもさることながら、地方自治体もリサイクル素材を活かした街づくりなどに取り組んでおり、最新のテクノロジーとイノベーションの祭典という側面ももちろんありつつ、同時にテクノロジーを手段として、いかにより環境に優しい社会を目指すべきか、ということが問われていると感じました。さらに女性のテック分野への進出を促進するスタートアップへの注目度も高く、フランス、そしてヨーロッパ全土では男女平等やインクルーシブな社会への意識が高いということが伝わってきました。


今年の開催方法は「バイブリッド」型、つまりオンラインとオフラインの両方から参加が可能という新しいものでした。毎日入場者は5000人に限定され、オンラインが参加の大前提でした。そして今年もまたティム・クークやマーク・ザッカーバーグらがスピーカーとして登壇しましたが、多くはオンラインでの参加でした。世界各地から参加が可能なハイブリッド型は来年以降も引き続き求められるのではないでしょうか。


さて、テクノロジージャーナリストの林氏はVIVATECHの特徴というのは、基本が「TECH for Good」という点に根付いていることだと言います。確かにマクルーハンやスティーブ・ジョブズが言うようにテクノロジーを身体の延長、あるいは進化の延長と捉えると、それはつまり増幅装置でしかありません。しかしそれを良きもののために利用するにはどうしたらいいのか。それを考える場としてVIVATECHの意義は発揮されているのではないかと林氏は言います。他に、テック系のイベントとして世界で有名なものに、アメリカのCESがあります。ここではアメリカのシリコンバレー発祥のテック系企業にスポットライトが当たるのですが、資本主義が暴走していると言う見方もある今日、CESこそ、その中心に位置付けることもできます。それに対してVIVATECは単なる利益追及ではなく、いかに技術を「良きこと」のために利用するのかを問い続けています。またVIVATECHは資本主義のある種の暴走に対して、カウンターの意識を持つことを促していると林氏は言います。ヨーロッパではGDPRが設立され、プライバシーの保護など政府が主体となって人々を守るという姿勢が見られます。ちなみにシリコンバレーがテックやイノベーションの中心地としてみられがちな中で、日本はどちらかと言うと保守的な姿勢をとる傾向が強く、ややもすれば批判されることもあります。しかし、もしかすると未来の社会をより良い方向に向かわせるためには、ヨーロッパのように、ある程度のブレーキ、あるいは一歩下がった視点も必要なのではないかというメッセージで結びました。


後半は、日経ジャーナリストの上田氏にお話を伺いました。上田氏も林氏と同様に、ヨーロッパで行われるVIVATECHは単なるテック系のイベントという位置付けではなく、社会的な側面からテクノロジーやイノベーションを問うスタンスが特徴的だと言います。日本はアメリカと同じ枠組みの中で戦おうとしますが、それがなかなかうまくいきません。ところがVIVATECHはヨーロッパの地で別の新しい枠組みを作り出していると言えそうです。そんな今回のVIVATECHで注目すべき2点としては、まずサステナビリティがあげられました。そして2点目にはブランドとして確立してきたフレンチテックの先を見越した、「スケールアップヨーロッパ」という側面があげられました。しかし、日本は基本的にイノベーションに関してはアメリカを向いています。いかにしてヨーロッパで起きていることに目を向けてもらえるのか。上田氏は、フランスの有力経済紙のLes Echosが今回の展示会のメインパートナーになっていたことなどから、日本の経済氏である日経も同じような試みをすることは不可能ではない、と言います。また、企業に関しては、例えばヨーロッパに常駐を置いて、現地の文化を体感するというのも理解を進める一つの手段であるとし、これからもっと積極的にヨーロッパとの関係性を築いていくべきではないだろうかと問いかけて締めくくりました。


Q&AではBTC型人材の地域差に関する質問が寄せられました。それに対して林氏は、この視点は非常に重要であるとした上で、出発するべきなのは、C(creative)の部分であると言います。そこにこそ、企業のレゾンデートルが含まれるからです。シンノラの今井も同様に、「ビジョン」をしっかりと持つことが重要であると考え、テクノロジーはあくまで手段であり、一発花火とならないように、つまり持続的なビジネスに育てるために、Cの部分にまず注力するべきだという点で一致しました。今の日本では学校によってBTCそれぞれの人材が輩出される中、お互いにリンクしていないことが問題点としてあげられました。BTC型の人材を目指すためには多様性を意識し、社会の中の流れを良くすることが必要で、これからこの点はさらに重要になってくるでしょう。


執筆:大野舞

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